人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ジナーF

ジナーF_c0407880_19054115.jpg
Phase One用に35ミリのレンズを買ったことで、最近出番が多いのがジナーF。
何でかってゆーと、、、
クランプを挟まないで、前板と後ろ板の距離が短くなるからです。
ローデンシュトックのアポ・シロナー・デジタル35ミリのフランジバックは43.2mm。へこみのレンズボードを付けない限りは、ジナーPだと無限遠はピントが合いません。そこでジナーFでクランプを挟まない状態にすると、凹みボード無しでも無限遠までピントが合います。
僕の場合、商品撮影が多いので、スタジオ内での使用がほとんどです。それでも余程小さい商品を寄って撮るようなとき以外ではピントが来ないのがこのクラスの広角レンズの特徴です。
次の写真は前板をあおったときの状態。分かりやすいように袋蛇腹を外しています。
ジナーFでのデメリットはなんと言ってもティルト時にこんな状態になってしまう点です。
もともと4×5などの大判カメラは商品などをゆがまないようにあおって撮影できるように作られています。理想なのはレンズの光軸上であおれるセンターアオリという機構で、ジナーPなど、スタジオ使用に特化したカメラはその機能を持っています。
センターアオリのデメリットとして、どうしてもカメラが大きく重たくなってしまう点。複雑な動きをさせますからね。野外用でも持って行きやすいように簡易にしたのがジナーFなどが採用しているベースアオリというものです。
風景などを撮る分にはこれでもまあ、撮れなくはないですが、、、これでブツ撮りなどをやろうとするとかなりのストレスになります。
ジナーF_c0407880_19054161.jpg
バックタイプのデジカメユーザーは、だいたい今まで使っていた4×5やハッセル(Vマウント)に付けて撮影していますが、これは過渡的な状態だと思っています。35タイプのデジカメでもそうですが、突き詰めていくと最後の課題はレンズになります。同じことがバックタイプのデジカメでも起こります。フィルム時代のレンズの限界ですね。
ハッセルのVマウントにしておけば、既存のフィルム時代のカメラ(4×5、ハッセルなど)にそのまま使えると言うことで、バックタイプのデジカメで一番多いのがVマウントです。
デジタルバックさえ買ってしまえば、あとはブローニーフィルムのように中判でも大判でも同じように使い回しが効きます。コスト的にメリットがありますが、、、フィルム時代のレンズの限界に行き当たります。
解像感などを求めていくと、結果的には使うレンズを買い換えていくしか方法がないのです。4×5はまだしも、ハッセルは困ります。もう新型は出ませんから。。。というか生産もしているのかどうか?・・・
ハッセルはHシリーズというデジタル対応のカメラ、レンズのシリーズを出しています。一度、Hシリーズを使いましたが、Vシリーズとは明らかに1ランク上のシャープ感があります。
Vマウントのデジタルバックは、今のところ、デファクト・スタンダードと言っても良いくらいなのですが、今後はどうなるか?分かりません。取りあえずバックタイプのデジカメ初心者はVマウントから入ったでしょうけど、更に上を目指した場合、現時点ではハッセルのHしか選択肢がありません。

これからバックタイプのデジカメを考えている人は、よ~く考えて選択してください。
Commented by YShimizu at 2007-05-18 02:59 x
<p>ハッセルのオフィシャルサイト、<br />
<a href="http://www.hasselblad.com/" target="_blank">http://www.hasselblad.com/</a><br />
を見ると、特に未来のどうこうという話は無いみたいですね。個人的には国内メーカよりは、長いスパンで作ってくれるんじゃないか、って思っちゃいます。国内メーカはモデルチェンジ多すぎますからね。</p>

<p>下の色むらの話、大変面白かったです。なるほど、こんな事があるのか。。。。。</p>

Commented by 村松弘敏 at 2007-05-20 09:02 x
<p>まさしく私も直面している問題だったりしますね。<br />
使っているカメラがさらに古いジナーSなので…。<br />
ベースあおりだとフランジバックの問題でピントがきつい場面もあります(H25、90mmでも)。<br />
ステッチングの対応は未確認なのですがホースマンLDプロが、バックタイプデジカメをつけるのにいいのかな?</p>

Commented by tatsphoto at 2007-05-22 00:02 x
<p>村松さん、どうもです。<br />
ジナーSをお持ちとは・・あの削り出しのアルミの質感はたまりませんね。プロダクト好きとしては、現行のジナーなんか比較にならないくらい綺麗です。ただ、まあ、使い勝手としては、、つらいところですが。<br />
ホースマンLDですが、デジタル用と謳っていながら、使用しているパーツはほとんどが4×5の時代のものです。あまり小型軽量になっていないのが、僕としては歯がゆい思いですね。<br />
デジタルバックで使いやすいようなビューカメラをどこかが作ってくれることを望んでいるのですが。</p>

by tatsphoto | 2007-05-17 22:26 | 携帯・デジカメ | Comments(3)

フォトグラファー湯浅立志のブログです。


by tatsphoto